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「死の恐怖」から宝塚合格、希望の星に!
東日本大震災の被災地から、タカラジェンヌへの狭き門を突破した茨城県茨城町出身の横田碧さん。宝塚音楽学校の第99期生合格発表が29日、兵庫県宝塚市で行われ、940人の受験者から40人が合格した。東日本大震災の影響で、宮城県など被災した5県の計7人が棄権した中、同じく大きな被害の出た茨城県茨城町出身の横田碧(よこた・あおい)さん(15)=同県水戸市・智学館中3年=が倍率23・5倍の狭き門を突破。「地震に負けず、合格できてうれしい。(被災地への)勇気につながってほしい」と熱く語った。運命の3月29日午前10時、在校生が合格者の受験場号を掲示すると、受験生から「あった!」「きゃー!」と歓声が上がった。そんな中で静かに大粒の涙を流す少女。東日本大震災の被災地、茨城県から「宝塚」に挑戦した横田碧さんだった。「無事に受験できただけでよかったのに、地震に負けず合格できて本当にうれしいです。地震の中だったけど、レッスンしてきたことを思い出して平常心を保ちました」不安と恐怖の中で、つかんだタカラジェンヌへの切符。初受験初合格だった。23・5倍の難関をくぐり抜けた喜びとともに、変わり果てた故郷の景色が脳裏を過ぎる。横田さんの瞳からは、さらに涙があふれ出た。横田さんの出身地は茨城町。大津波で大きな被害の出た大洗町の西側にあり、11日の東日本大震災では震度6弱。死者こそ出ていないが、家屋35棟(29日現在)の全半壊が判明している。地震発生当時、横田さんは水戸市内にある智学館中学の校舎内におり、天井が崩れ落ちた。車の中で一夜を過ごし、避難所に身を寄せた友人もいた。「受験よりも何よりも、死ぬんじゃないかと思いました」と恐怖体験を振り返った。1次試験を9日後に控えた中での悲劇。受けるかどうかも迷ったといい、家族と相談して受験を決意した。神奈川県川崎市の1次会場へは、電車が止まっていたためバスで出発。高速道路は封鎖され、2時間かけて到着した。「(茨城は)いまでも水問題など大変で、避難所で辛い思いをする人がたくさんいますが、少しでも合格が勇気につながれば…」今回は震災の影響で、宮城県など被災した5県からは31人が願書を提出し、計7人が交通事情などで棄権。今回、初めて学校側も遅刻等を認める措置を取り、対応した。「こういうときに受かったので、華やかで力強くて、人に感動を与えられるような『男役』になりたいです」身長1メートル68の長身、バレエ歴10年。末は大地真央か、真矢みきか。被災地への思いを胸に、2年間の厳しいレッスンに耐え、横田さんは宝塚歌劇団への入団を目指す。
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